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ダンボールの豆知識

2022.09.29

段ボールの規格をご存知ですか?

一般的な段ボールの構造は両面段ボールといい3重構造になっていて、ライナと呼ばれる表裏のボール紙と、中心に波型に整形された中芯を張り合わせて作られています。この中芯の段の高さをフルート(flute)といい、用途や必要な強度に合わせてフルート(段)の高さや波の数を変えています。段ボールの規格はこのフルート(段)によって規格化されていています。

段ボールの規格や構造などの豆知識を中部紙業のガキキンがわかりやすく解説してご紹介していきます!

主要な段ボールの規格

代表的なフルートをご紹介いたします。段ボールの規格はJIS Z 1516で規定されておりフルート(段)の波の高さと、30cm辺りの波の数で決められています。フルートの段が高く分厚いほどに強度があり、またA・Bフルートを張り合わせた構造のWフルートは複両面段ボールと呼ばれ、両面段ボールよりも強度が強くなります。その他、3段まで張り合わせた複々両面段ボールもあり、より強度を求められる重量物の梱包に利用されています。

Aフルート

利用目的
外装ケース用ダンボール
みかん箱や引越し用などに一般的に使用される

日本ではもっとも一般的な段ボールの規格です。みかん箱に代表されるように青果の運搬用や、引越しに使用する段ボール箱に使用されています。
厚みは約5mmでフルートの波が30cm中に34±2個になるよう規格されています。

Bフルート

利用目的
外装ケース用ダンボール
精密機械を梱包する際の緩衝材や内箱
POP加工用など

BフルートはAフルートより厚みが薄く、約3mmの段ボールです。フルートの波が30cm中50±2個になる規格です。厚みが薄いことから折り込んだり切り込みを入れやすくPOPなどのディスプレイ用に加工する用途にも向いています。比較的軽量な物の梱包や、精密機械を梱包する際の緩衝材としても利用される段ボールです。

Cフルート

利用目的
内装用ケースダンボール
外装用ケースとして採用され始めている

CフルートはAフルートより1mm厚みの薄い約4mmの段ボールです。とはいえフルートの波は30cm中に40±2個とAフルートより多く、強度はほとんど代わりません。
Aフルートと比較して厚みが薄いのに強度が変わらないという点から、折りたたんで保管する際のスペース節約になることから世界標準となっている段ボールです。日本ではまだあまり流通していない規格です。

Eフルート

利用目的
内装用ケースダンボール
化粧ケース
パッケージやギフトBOX

Eフルートは約1.5mmと薄く、一見すると厚紙と見間違いそうな段ボールです。30cm内にフルートの波が95±5個ときめ細かく、表面にデコボコが目立たないことからギフトの梱包用としてよく利用されています。内箱によく使われますが、表面が滑らかで印刷がしやすいことから小物用やメール便用の箱として最近よく利用されています。

Fフルート

利用目的
内装用ケースダンボール
食品の梱包容器
メール便などを発送する封筒や箱

厚さ約1mmと段ボールとしてはかなり薄いのがFフルートの特徴です。最近は既存のボール紙の用途と入れ替わるように使われはじめましたが、段ボールの高いリサイクル性を期待しての事。つまり段ボールであれば既存のリサイクルルートに乗せることができるので低コストでリサイクルが可能という訳です。とくに食品の梱包容器(宅配ピザなど)として活用されていて、段ボールの高い断熱性が食品の保温に効果を発揮しています。フルートの波の数は120±2個です。

Gフルート

利用目的
内装用ケースダンボール
ギフト用パッケージ
ディスプレイ広告板

Gフルートの厚みは約0.9mmと最も薄い段ボールです。厚みはFフルートととても近いものになっています。ではFフルートと何が違うのかというと、最大の特徴は安価なオフセット印刷を直接行える点にあります。写真を美しく印刷することも可能です。またフルートの波が30cmあたり177個も入っており、強度も十分にあります。Fフルートと合わせてマイクロフルートとも呼ばれ、従来のボール紙容器の用途を置き換える食品梱包用途や商品のパッケージ用として利用されています。

Wフルート

利用目的
特殊ダンボール
海外発送品の梱包
重量物などの外箱

WフルートはAフルートとBフルートを張り合わせたような2重構造になっており、厚みは約8mmです。複両面段ボールと呼ばれており、一般的な段ボールとしてはもっとも厚みがあります。
その高い強度を利用して重量物の梱包用や、海外へ向けての発送用の箱として利用されています。

AAフルート

利用目的
特殊ダンボール
海外発送品の梱包
重量物などの外箱

A・Bフルートを張り合わせた構造のWフルートに対し、Aフルートを2枚張り合わせた構造の段ボールがAAフルートです。厚みはちょうどAフルート2枚分の約10mmで、一般的には流通していない段ボールです。複々両面段ボールまでは必要無いが、Wフルートでは強度が不足するという場面で利用されます。
用途はWフルートと同じく重量物の梱包用や、海外へ向けての発送用として利用されています。強化段ボールと呼ばれることもあります。

AAAフルート

利用目的
外装用ケースダンボール
パレット
通い箱

Aフルートを三枚重ねた構造で、複々両面段ボールと呼ばれるものです。厚みは約15mmと、製造されている段ボールではもっとも厚みがあります。その強度は木材にも匹敵し、1t近い超重量物の輸送用途や、加工してフォークリフト用のパレットとしても使用されたり、品物をやりとりする際に使用される「通い箱」などにも使用されることもあります。

段ボールの規格や構造などの豆知識を中部紙業のガキキンがわかりやすく解説してご紹介しています!